薄毛の一因になる髪の毛の「毛周期」。髪は皮膚と同じように一定のサイクルで生え変わりますが、この周期が乱れてしまうこと健康な髪の毛が育たず薄毛になってしまうのです。
毛周期の乱れを招く原因を知り正しい対策を行えば、正常なサイクルで太くコシのある抜けにくい髪の毛を育てることができます。薄毛になってしまう前に、毛周期の正しい知識を身につけておきましょう。
髪の毛にとって重要な毛周期
髪の毛は一般的に成長期・退行期・休止期という3つの段階を1つのサイクルとして一定期間で生え変わるようになっています。
髪の毛の量が多く、髪自体にコシがあり太くしっかりしているなら毛周期が正常に繰り返されていますが、髪の毛がしんなりと細くやせ細り地肌が目立つ箇所があるようなら、それは毛周期が乱れている可能性が高いと言えるでしょう。
毛周期が乱れると髪の毛の成長を促進する毛母細胞の分裂が鈍り、酷い場合は細胞の活動が休止状態のままで停止してしまいます。
毛母細胞が活動を停止した状態が長期間続いてしまうと、当然髪の毛も成長せず栄養不足に陥り抜け落ちてしまうため、やがて頭髪が少なくなり薄毛になってしまうのです。
毛周期を乱す4つの原因
毛周期の乱れを引き起こす原因は、大きく分けて4つあります。
男性ホルモンの増加
男性は体内にテストステロンと呼ばれる男性ホルモンを持っています。テストステロンは髪の毛の成長と深く関わっている毛母細胞の分裂活動を鈍らせる働きがあるため、体内の男性ホルモンの量が多ければ多い人ほど毛周期が乱れやすく薄毛にもなりやすいと言えるのです。
また、男性の身体の中にも微量の女性ホルモンが存在していますが、この女性ホルモンの量も薄毛と無関係ではありません。
女性ホルモンのエストロゲンには抜け毛・薄毛を予防し髪を育てる働きがあると言われており、男性の薄毛予防にもエストロゲンが一役買っているのです。
つまり、先天的に男性ホルモンの量が多く、女性ホルモンの量が少ない男性ほど薄毛になりやすいということなのですね。
慢性的なストレス
仕事や日常生活の中で日々強いストレスを感じている男性は、常に身体が緊張状態にあり筋肉の張りやコリを引き起こしやすいと言えます。
こうした筋肉の張りやコリは血液の流れを滞らせるだけでなく、自律神経のバランスを乱して細胞の動きを鈍らせます。つまり、ストレスは毛母細胞の働きをも鈍らせ薄毛を誘発してしまうのです。
さらに、強いストレスは円形脱毛症のような免疫異常を引き起こす原因になることでも知られています。
円形脱毛症は投薬治療で完治させることができますが、悪化すると髪のほとんが抜け落ちてしまう事もあり、局部的ではなく全体的な頭部の薄毛の原因にもなりうるのです。
紫外線によるダメージ
男性は女性に比べてUV対策への意識が低い傾向にあります。女性が毎日日焼け止めを塗ったり帽子をかぶるのに対して、男性は野外でも特に紫外線対策をしないことが多く、その結果頭部を日焼けする人が多いとも言われているほどです。
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頭部を日焼けすると頭皮から水分が奪われてしまうため、その乾燥を補おうと皮脂の分泌が盛んになります。皮脂が大量に分泌されればその分、毛穴に皮脂が詰まって酸化し毛根にダメージを与えてしまうリスクが高くなります。
こうして毛根にダメージが蓄積されていくとやがて毛が抜けやすくなり、毛周期も乱れて薄毛になってしまうのです。
薄毛を予防するためにはアウトドアなど長時間の場合だけでなく、短時間の外出でも帽子をかぶるなどのUV対策を行い頭皮の日焼けを防ぐことが大切です。
食事制限によるダイエット
基礎代謝が低下しはじめる30代からメタボリックシンドロームなど肥満に悩まされ、男性の中にもダイエットに励む方は少なくありません。
しかしこうしたダイエットで過度の食事制限をすると髪に使われる栄養が不足し、抜け毛を引き起こしてしまうことがあります。
人間は食事から栄養を摂取し、摂取した栄養は血液によって全身に運ばれますが、食事制限で栄養が不足しがちになると生命維持活動にさほど影響しない髪には少量の栄養しか運ばれなくなります。
栄養を与えられない髪は当然徐々にやせ細っていき毛根も弱ってしまうので、抜け毛の量が増えやがて薄毛になってしまうのです。
ダイエットで食事制限を行うときは適度に脂質を取り、髪を作る材料となるたんぱく質を大目に取るよう心がけましょう。
高カロリーだからとたんぱく質の摂取を控えると髪に悪影響を与え、薄毛を引き起こす場合があるので注意が必要です。
男性の薄毛を引き起こす4つの原因はどれも毛周期の乱れを引き起こすものばかりです。一旦乱れたサイクルを正常に戻すためには、こうした原因を取り除き正しい対処をすることが何よりも大切です。
最近髪の毛が薄くなった、地肌が目立つようになってきたと感じたら、一度自分の生活習慣を振り返り毛周期を乱す行為をしていないか見直してみましょう。