日差しがきつくなるサマーシーズン、女性は帽子や日傘で積極的にUV対策を行っている一方で、男性は帽子をかぶったり日焼け止めさえつけない人がほとんどだと言われています。

しかしUV対策をせず夏の強い日差しを浴びる続けると頭皮が日焼けし、皮膚がダメージを負うだけでなく将来的に薄毛を引き起こしてしまうリスクも高まってしまいます。

健康な頭髪を維持するために知っておきたい、日焼けと薄毛の関係をご紹介します。

紫外線を浴びると薄毛になりやすい体質に

紫外線を浴びると薄毛になりやすい体質に

日本では6〜8月が一年の中で最も紫外線の量が増える時期にあたります。この季節はアウトドアやレジャーに行く人も多く、自然と野外で活動する機会が増える時期でもあると言えます。

そんな中、野外で帽子をかぶらず長時間紫外線を浴びると頭皮が日焼けして皮膚にメラニン色素が生成されるだけでなく、髪の毛と密接に関わり合っている毛母細胞を破壊し、大量の抜け毛や薄毛を引き起こしてしまうことが分かっています。

毛母細胞とは

毛母細胞は頭皮の毛細血管から栄養を受け取った毛乳頭を覆うようにして存在している細胞のことで、この毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返すことで髪が成長しコシやツヤが生まれます。

日焼けをすると毛母細胞は破壊され、その結果細胞分裂がスムーズに行われなくなってしまうので髪がやせ細ってしまったり、ブラッシングやシャンプーなどの軽い刺激を与えただけで多量に髪が抜け、薄毛になってしまうのです。

 

髪が生えるサイクル

一旦抜けた髪の毛は一定のサイクルでまた新しい髪に生え変わります。こうしたサイクルを「ヘアサイクル」と呼び、毛母細胞が分裂する成長期、髪がしっかりと頭皮に定着する休止期、髪の成長が止まり抜け落ちていく退行期の3つに分けることができます。

 

ヘアサイクルの中で最も重要なのが成長期です。成長期に毛母細胞が活発に分裂を繰り返すことで太くコシのある丈夫な髪が作られることになりますが、この成長期に野外で長時間紫外線を浴びれば成長が不十分なまま髪の成長が止まってしまい、細い髪の毛のまま休止期に突入してしまうのです。

髪が細いと当然地肌が透けて見えてしまうため、髪の分け目や頭頂部で地肌が目立ってしまうのですね。

 

頭皮が乾燥すると髪が抜けやすくなる

頭皮が乾燥すると髪が抜けやすくなる

紫外線を浴びると頭皮の皮脂や水分が奪われて皮膚がカラカラの状態になってしまいます。このように頭皮が乾燥してしまうと、皮脂の分泌バランスが崩れてしまうだけでなく毛根が水分不足になって髪が抜けやすくなります。

顔や手足の肌と違い、頭皮は自分の目で確認できない分乾燥しているかどうかを把握するのが困難な部位です。特にサマーシーズンは大量の汗をかくため、頭皮が汗で濡れていることを水分があると勘違いしてしまうことも多く毛根の水分不足に気づかないまま適切な処置を取らず、その結果として抜け毛が促進してしまうことも少なくありません。

 

キューティクルが剥がれ髪を栄養不足にする紫外線

キューティクルが剥がれ髪を栄養不足にする紫外線

髪の表面はキューティクルと呼ばれる薄い膜で覆われていますが、紫外線を直接浴びてしまうとこのキューティクルが傷み剥がれてしまいます。

キューティクルが剥がれると毛はとてもデリケートな状態になり、ちょっとした刺激で切れてしまったり抜けてしまうのです。

 

日焼けした後の髪はキューティクルが剥がれ、水分不足になっているのでとてもゴワゴワしています。髪を触ってみてこうした手触りを感じたらそれは髪が日焼けによるダメージを受けている証拠。優しくシャンプーをして汚れを洗い流し、トリートメントで保湿してあげましょう。

 

アウトドアでは必ず帽子をかぶる習慣を

アウトドアでは必ず帽子をかぶる習慣を

長時間野外で過ごす場合は、必ず帽子をかぶり頭皮を保護してあげることが最も効果のある薄毛対策だと言えます。

帽子を選ぶときはつばの広いデザインを選び、速乾性の素材を使ったものにしておけば、いつでもすぐにかぶることができてとても便利です。

しかし帽子を長時間かぶっていると今後は頭皮の中に熱が籠もってしまい、頭皮にかいた汗が雑菌を繁殖させてしまうこともあります。雑菌が毛穴に入り込むことも薄毛を引き起こす原因の1つですので、帽子は必ず通気性良い素材を選ぶようにしておきましょう。

 

そして帽子のサイズ選びも忘れてはいけません。自分の頭を締め付けるような小さいサイズの帽子をかぶってしまうと、じわじわと頭部の血管が圧迫されて血液の流れが悪くなります。

血液は毛細血管を通じて毛乳頭に髪を作る材料を運んでくれる大事な役割を果たしていますので、帽子は自分の頭よりワンサイズ大きめのものにし、くれぐれも頭部の血管を締め付けないようにしましょう。

 

頭皮の日焼けは薄毛を引き起こす一因になるため、アウトドアやレジャーに出かけるときはもちろんのこと日常生活の中でもしっかりと対策することが大切です。

日焼けのダメージは少しずつ蓄積されていくものなので、今は大丈夫と思っていても10年、20年後にそのダメージがやってきて薄毛になってしまうこともあります。

これからの季節、頭皮の日焼けを予防しUV対策を怠らないことが薄毛を予防する効果的な対策だと言えるでしょう。