日本ではまだ「薄毛になるのは年をとってから」という先入観が強く、20〜30代の男性は髪を労るスカルプケアを疎かにしがちです。しかし、薄毛は加齢によって引き起こされるものではなく、若年であっても外因的な理由によって十分起こりうる症状なのです。

特に遺伝などの先天的な原因ではなく、若年の男性はレジャーやアウトドアなどで紫外線を浴びる機会が多い傾向にあるため、紫外線を浴びやすい頭頂部の髪の毛が抜けやすいとも言われます。

まだ若いからと安心せず、将来的な薄毛を防ぐために今から頭頂部の薄毛が起こるメカニズムと正しいスカルプケアの知識を身につけておきましょう。

20〜30代の男性の薄毛は「若年性脱毛症」

20〜30代の男性の薄毛は「若年性脱毛症」

20代から30代の男性が薄毛になることを、医学用語では「若年性脱毛症」と呼びます。

若年性脱毛症の原因はさまざまで、遺伝の場合もあれば10代の頃から野外で過ごすことが多い人は紫外線による頭皮のダメージが大量の抜け毛を招くこともあります。

 

若年性脱毛症は早ければ10代の頃から起こりうる疾患で、その場合は遺伝とストレスのような精神的なストレスが原因であることがほとんどです。

人間の髪はヘアサイクルによって成長と退化を繰り返していますが、遺伝やストレス、紫外線などの悪影響でこのサイクルが乱れると髪の成長が遅れ次第に髪の毛の本数が減ってしまうのです。

 

年代別に見る!正しいスカルプケアのやリ方

年代別に見る!正しいスカルプケアのやリ方

頭頂部は自分の目に触れる機会が少ないため、薄くなっていることに気づきにくいものです。

薄毛が進行してから慌ててスカルプケアをしても効果が出にくく、育毛にも時間がかかってしまいます。つまり、薄毛を予防するスカルプケアは薄毛になってから始めるのでは遅く、健康な髪が生えている頃から始めておくべきなのです。

10代で行うべき薄毛対策

10代は思春期を迎えることで男性ホルモンのバランスが崩れやすく、また精神的にも未熟なため強いストレスに晒されやすい年代です。こうした原因が薄毛を引き起こすことも珍しくないため、まずは生活習慣の見直しを行いながら同時にスカルプケアも並行して行うのが正しい薄毛対策だと言えるでしょう。

 

10代の頃は髪の成長を促す毛母細胞の活動も活発ですから、スカルプケアは決してやりすぎず最小限にすることも重要です。

育毛剤を使うよりも毛穴の汚れをスッキリと落としてくれるスカルプケア専用のシャンプーを使ったり、洗髪の際はヘアブラシを使って頭皮のコリをほぐし血行促進を心がけるのが良いでしょう。

 

20代で行うべき薄毛対策

20代に入ると毛母細胞の活動がピークを迎え、その後徐々に衰えはじめます。

この時期にはしっかりと髪に負担のかからない生活を送り、同時に薄毛対策も行っておくと薄毛になりにくい体質を作ることができ、将来的な薄毛のリスクを低下させることができます。

 

10代に比べ、20代になるとタバコや飲酒などを嗜みはじめる男性も増えます。

こうした嗜好品はいずれも腎臓や肝臓に負担をかけて身体の機能を低下させるだけでなく、体内に活性酸素を生成して細胞の働きを阻害してしまうので薄毛を防ぐためには控えた方が良いでしょう。

 

30代で行うべき薄毛対策

男性は30代に入ると加齢の影響でヘアサイクルが衰え、毛包が小さくなり髪の毛自体も細くなっていきます。

そのため毛の育成をサポートする働きを持つ育毛剤を日常的に使用するなど、スカルプケアに力を入れることで薄毛の進行を遅らせることができます。

 

さらに30代は体力も衰え身体が疲れやすくなる年代でもあります。身体が疲労感を残したままでは全身が血行不良になりやすいため、頭皮に血液が行き渡りにくくなってしまうこともあります。

血行不良は抜け毛を増やし薄毛を悪化させてしまう原因ですから、毎日の食事を消化の良い物に代えて消化器官の負担を軽くしつつ、しっかりと深い睡眠を取り疲れを身体に残さない生活を送るように心がけましょう。

 

薄毛が気になったら専門医に相談を

薄毛が気になったら専門医に相談を

薄毛は進行性のものですから、当然抜け毛の数や進行の速度には個人差が出てきます。

生活習慣やスカルプケアを行うことで進行を遅らせることはできますが、AGA(男性型脱毛症)ならば根本的に完治させることは難しいと言われており、クリニックなどでもウィッグの装着や植毛を勧められることがあります。

現在薄毛の治療薬として厚生労働省の認定を受けているのがプロペシアと呼ばれる薬ですが、プロペシアでの投薬治療は専門のクリニックの受診が必要になるため、薄毛が気になった場合はまずクリニックを受診してカウンセリングを受け自分の体質や生活スタイルに合った薄毛治療を行うようにしましょう。

 

頭頂部の髪の毛が薄くなってくると髪の毛からボリュームが失われ、外見にも少なからず影響が及びます。こうした薄毛の症状を遅らせるには若年からのケアが何よりも大切です。

将来薄毛に悩まされないためにも、若い内から生活習慣とスカルプケアを行い髪へのダメージを蓄積しないように努めましょう。